日本酒のいろは②〜理想の日本酒の探し方〜
1.日本酒のいろは②〜理想の日本酒の探し方〜
日本酒について、前回の特集では「特定名称酒」、「日本酒のいろいろな飲み方」について取り上げました。同じ酒蔵でも製法や飲み方によって味わいが変わることがわかりました。今回の特集ではこれまたよく聞く「辛口」「淡麗」などといったお酒そのものの味わいの基準となる数値について解説します。
2.数値による分類〜ラベルを見てみよう〜
日本酒の味といって思い浮かぶのは「辛口」や「甘口」といったものではないでしょうか。単純に一括りには出来ないのですが、大きな分類として覚えておくと日本酒選びの参考になります。
【日本酒度】
日本酒のラベルを見てみると、アルコール度数や精米歩合のほかに「日本酒度」が書いてあるお酒が多いです。この「日本酒度」というのは「日本酒の中に含まれている糖分」の量を数値化したものです。日本酒度が高ければ甘みが少ない(=辛口)、低ければ甘みが多い(=甘口)となります。
日本酒度は15℃の清酒に日本酒度計を浮かせて測定するため、糖分が多い日本酒ほど比重が重くなるので浮かぶ(=マイナス)、糖分が少ない日本酒ほど比重が軽くなるので沈む(=プラス)となるのです。
【酸度】
もう一つの指標が「酸度」です。酸といってもレモンやお酢のようにすっぱいという意味ではなく、「キレ」を表す指標です。日本酒の中にある酸の量を数値化したもので、この酸というのは乳酸、リンゴ酸、コハク酸といったものです。日本酒の旨味や爽やかさにつながります。
酸度は10mlの清酒を中和するのに必要な水酸化ナトリウムの量で測定します。このため酸が多いほど中和に必要な水酸化ナトリウムの量が多い、つまり値が高くなります。値が高いと濃醇、低いと淡麗と表現します。
【味の分類】
さて、これまで日本酒の味わいに関係する数値について解説してきましたがこれらの値を複合して分類すると以下の表のようになります。各味わいの特徴について解説します。
・濃醇甘口・・・酸味と糖分が多く、コクがあってまろやかな味が特徴
・淡麗甘口・・・しっかりとした甘みと味が特徴
・濃醇辛口・・・味のバランスが良く、しっかりとしたコクが特徴
・淡麗辛口・・・口当めらかで飲みやすく、どんな料理にも合うのが特徴
3.まとめ
今回の特集では数値から見る味わいということでラベルから想像できる味のタイプについて解説しました。しかし、全てのお酒がこの範疇に収まるわけではありません。あくまで「味の参考」程度に捉えてみてください。中には数値が公表されていないお酒もありますので、色々なお酒を飲んで好みを見つけてみてください。
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