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北岡本店(やたがらす)〜時代に流されない旨口でありつつ、今の時代に合うお酒造り〜

 今回お届けするのは「やたがらす」でお馴染みの北岡本店。清酒のみならずリキュール等様々な種類を取り扱っている北岡本店のこだわりに迫ります。

1.北岡本店の歴史

「八咫烏(やたがらす)」を醸す北岡本店

 北岡本店は、奈良県南部は吉野熊野国立公園の入り口、一目千本と詠まれた桜の名所「吉野」に酒蔵があります。吉野は江戸時代の初めより、山林労働に携わる人たちが一泊する宿場町として栄え、その後も長らくにわたり林業を中心に発展してきました。

 「やたがらす」の北岡本店はその宿場町の中心地に店を構え、代々古金屋を営んできましたが、明治元年(1868年)に7代目当主の惣十郎が、吉野杉に関わる人びとに癒しの酒を提供するため、酒造専業として酒造りに取り組んだのが当蔵の始まりです。

2.北岡本店のこだわり

時代に合うお酒を造る、北岡本店

 北岡本店では、「時代に流されない旨口でありつつ、今の時代に合うお酒を」という、一見矛盾する酒造りに取り組み続けてきました。そして、吉野とかかわり深い神武天皇の伝説にちなみ商標を『八咫烏(やたがらす)』※とする清酒にたどり着きました。

 奈良県産の原料米を中心に使用し、奈良吉野のお酒を飲み手にお届けできるように醸し続けています。

※『八咫烏(やたがらす)』とは、日本神話に登場する三本足カラスで導きの神。「日本書紀」には、東征の際に天照大神によって神武天皇のもとに派遣され、熊野から大和に入る険阻な山中を導いたとされています。

3.北岡本店の代表酒おすすめの飲み方

【北岡本店】やたがらす

【北岡本店】やたがらす 純米 菩提酛

 控え目でほのかに青草の香りが感じられますが、口に含むと杏の様な濃厚な甘さと酸味が口いっぱいに広がります。喉元を過ぎるとさっぱりと切れ、心地よい甘みとベリー系の酸味のニュアンスが残り、もうひとくち飲みたくなる味わいです。

 開栓してから室温に戻し、口の広いグラスで脂の多い肉料理や回鍋肉などと一緒にお楽しみいただくと、口の中がさっぱりとして食事が進みます。また10℃程度に冷やし口の狭いワイングラスに注ぎ、ロックフォールなどのアオカビチーズにハチミツをかけて、クルミなどと一緒にお楽しみいただければ、より美味しさが引き立ちます。

 ・【北岡本店】やたがらす 純米 樽熟成

 吉野の山から切り出した「吉野杉」で作らた杉樽に、すっきりとした辛口仕上げの純米酒を貯蔵しました。季節によって貯蔵日数を調整することで、適度な杉の香りと樽由来のほのかな渋味が純米酒が持つ風味とマリアージュし、上品な味わいをお楽しみいただけます。

 煮物や西京漬けの焼き魚などと一緒に室温~ぬる燗程度で、またスモークサーモンやチーズなどと一緒にきりりと冷やしてワイングラスでお楽しみください。

【北岡本店】やたがらす 純米大吟醸 山田錦

 「酒米の王」ともいわれる山田錦を50%に精米し、酸度をほんの少し上げることでキレの良さと、口に含んだ時の旨みと香りの広がりを表現しました。爽やかな辛口に仕上げましたが、口当たりはほんのり甘く感じられるかもしれません。

 甘味と酸味のバランスに注意して仕上げたこの純米大吟醸は、15℃程度に程よく冷やし、ワイングラスで少し温めながらゆっくりと味わってください。飲むほどに華が開くように旨みが増し、程よい酸味が香りをともなって広がります。

北岡本店(やたがらす)〜時代に流されない旨口でありつつ、今の時代に合うお酒造り〜