奈良と日本酒②〜その魅力〜
1. 奈良と日本酒②〜その魅力〜
第2回の日本酒特集では奈良の日本酒の魅力に迫ります。
味わいはもちろんのこと、日本酒の発祥や酒米の特徴などを知り、より一層奈良の日本酒を楽しんでみてください。ここでは奈良の日本酒が美味しい理由を解説します。
奈良は、日本の酒造りの原点にあります。奈良の酒造りの歴史に思いをはせながら、日本酒をお楽しみ頂ければと思います。
2. 日本酒(清酒)発祥の地〜奈良〜
「奈良と日本酒」と聞いてまず出てくるキーワードは「正暦寺(しょうりゃくじ)」「菩提酛(ぼだいもと)」ではないでしょうか、日本酒(清酒)発祥の地とされる正暦寺では「菩提酛」と呼ばれる製法が確立されました。「菩提酛」の製法に関しては後の記事で触れることとして、なぜ奈良が日本酒の発祥地とされるのか、なぜお寺で日本酒が作られたのかについて解説していきます。
・なぜ奈良が日本酒(清酒)の発祥の地?
奈良が「日本酒(清酒)発祥の地」と呼ばれる理由は現在飲まれている「清酒」づくりの技術が開発された場所が奈良の正暦寺であったからなのです。それまでの日本酒は濁り酒が基本で、保存が効かないものでしたが、正暦寺ではさまざまな日本酒の技術が開発され現在のような日持ちのする、澄んだ酒が生まれたのです。(腐敗を防ぐための「火入れ」、もろみを濾して清酒と酒粕に分ける「諸白(もろはく)造り」など)
・なぜお寺で日本酒が作られたのか?
では、そもそもなぜお寺で日本酒を作るようになったのでしょうか?お酒のお供えといえば神社を思い出すかもしれませんが、神仏習合の中で神道と仏教は混ざり合い、一体となっていました。このことがお寺でお酒の製造が許され、発展した一つの理由でもあるのです。また、お寺では荘園で取れたお米を使ってお酒の製造、販売を行うことでお寺の経営を支えていました。
3. 奈良の日本酒の魅力〜酒米〜
酒米とは文字通りお酒の原料となるお米ですが、全国でも奈良でしか作られていない酒米が「露葉風(つゆはかぜ)」です。「露葉風」はその栽培の難しさから一旦は栽培が途絶え、幻の酒米となっていましたが蔵元と農家の努力の末、平成13年頃に復活し、現在は奈良県下の蔵元の中で酒米の王様と呼ばれる山田錦を超える使用量を誇っています。
「露葉風」を使用した日本酒はこちら
4. まとめ
日本酒特集第二回では奈良の日本酒の魅力として日本酒の発祥の地、奈良と酒米にフォーカスしました。
日本酒は蔵元だけで作り上げるものではなく、酒米の生産者や地域の努力によって作られるものです。「日本酒発祥の地」奈良で作られた日本酒を飲んで、さまざまな人々の思いをぜひ感じてみてはいかがでしょうか。
「ならわし」日本酒一覧はこちら