澤田酒造(歓喜光)〜老舗ベンチャー企業〜
今回お届けするのは「歓喜光」で知られる澤田酒造。自ら「老舗ベンチャー企業」と名乗り、清酒のみならず発酵食品、さらには音楽堂まで手がける澤田酒造のこだわりに迫ります。
1.歴史
「歓喜光」を醸す澤田酒造
澤田酒造は、天保元年(1830年)、 初代 澤田定四郎が奈良盆地の西端、二上山山麓の現在の地(奈良・五位堂) で商いを始め ました。それが澤田酒造の始まりとされています。 明治22年(1889年) 3代・澤田定十郎により酒造業を本格化。自家の用地で収穫される良質の米と、健康の霊水と して誉れ高い金剛山の伏流水を用いて、発祥の地・奈良における高級酒としての地位を確立しました。
2.澤田酒造のこだわり
老舗ベンチャー企業、澤田酒造
澤田酒造は創業天保元年(1830年)の酒蔵ですが、製造従事者の高齢化などの諸事情により、30年ほど前から主要工程を外部に委託する製造体制となっていました。
2019年、製造設備を一新し、社員の中から製造責任者を育成。先人の残した資料と向き合い、同業他社の支援もあり、念願の自社醸造再開を果たしました。かつての酒造りを知る者はなく、30代の若者中心の蔵人による酒造りは、日々試行錯誤の連続ですが、私どもは“初心”であることが大きな強みと捉えています。“初心”ならではの高揚感、情熱、丁寧さ、発想力をを武器に、基本に忠実でありながらも既成概念にとらわれないものづくりへの姿勢は、これから澤田酒造において絶対に欠かせないものです。
澤田酒造の3つの事業
澤田酒造では「ならわし」で取り扱っている日本酒の製造に加えて「澤田酵素」の製造、「澤田定子記念音楽院」の運営という3つの事業を行っています。
・澤田酵素の製造
「澤田酵素」は冬の寒い時期、体調を崩しながらも過酷な酒造りに従事する蔵人の姿に心を痛めた4代目当主の澤田定司は、昭和10年(1935年)、醸造学者でもあった自身の知識を活かし、身近な野菜や果物を酒蔵に生息する酵母菌で醗酵させた醗酵液を考案し蔵人に飲ませました。これが、現在の「澤田酵素」の原型となるもので、以来、「澤田の蔵からは病人が出ない」と近隣の村人たちの噂になったと言われています。
・澤田定子記念音楽院の運営
先代社長であった澤田定子は東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)を卒業し、関西オペラのプリマドンナとして活躍する一方、宝塚音楽学校や大阪第一師範(現・大阪教育大学)で教鞭をとった教育者でもありました。昭和59年、定子の没後、弟子たちによって澤田定子記念音楽院が設立。現在、音楽教室として、ピアノ、声楽、コーラスなどを教えるとともに、弊社敷地内の音楽堂で開催される酒蔵ロマンコンサートなどの演奏活動も積極的に行なっています。
3.澤田酒造の代表酒おすすめの飲み方
・【澤田酒造】歓喜光 純米吟醸「小さな喜び」
麹米、掛米ともに兵庫県産山田錦を100%使用した純米吟醸酒。
★「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」プレミアム純米部門 最高金賞受賞
★「インターナショナルワインチャレンジ」SAKE部門/純米吟醸酒の部 ゴールドメダル受賞。
・【澤田酒造】純米酒 悠久の光
純米酒『悠久の光』は、地元地域の農業振興と特産品創出をめざし、 地元香芝市と農業者、酒蔵の共同プロジェクトにより生まれた銘柄です。
原料米は地元遊休農地を活用し栽培されたヒノヒカリのみ使用し、粒の小さい飯米を限界まで磨き低温でじっくり醸すことで、飯米酒でありながら芳醇な香りと味わいに仕上げました。
オススメの飲用温度帯は、10~15℃前後(冷蔵庫から出してしばらく経った温度)ですが、燗でもおいしくお飲みいただけます。
・【澤田酒造】こだわり2本セット(歓喜光 純米吟醸「小さな喜び」・純米酒 悠久の光)
澤田酒造の代表銘柄でもある「歓喜光 純米吟醸『小さな喜び』」は風味豊かなうま味のしっかりとした味わいと、味わい深い甘さのバランスが特徴。オススメの飲用温度帯は10~15℃前後(冷蔵庫から出してしばらく経った温度)。
純米酒「悠久の光」は香芝の遊休農地で栽培された「ヒノヒカリ」を使用。冷酒でも燗でもお召し上がりいただけます。